根管治療で使う薬液は怖い
投稿日:2018年7月13日
カテゴリ:院長ブログ 根管治療(歯の神経の治療)
ヒポクロアクシデント・・・
歯科医師であれば誰でも知っている言葉です。
これは何かというと、
根管治療の際に次亜塩素酸Naをつかうのですが、それを根の外に押し込んでしまうことを言います。
酷いケースだと顔が腫れあがったりします。
私のプレゼンを聞いたことがある先生は見たことがあると思いますが、かなり悲惨な感じになります。
他院で抜髄(神経を取った)したあとに、激痛と痺れが生じたとのことで当院にいらっしゃいました。
抜髄したあとに痺れるというのは基本的には考えられない状態です。
歯の内部の神経を取っても、顎の中の神経は関係ないはずなんです。
しかし、このケース、レントゲンで見ると神経管と歯の先がめちゃくちゃ近いのと、骨がかなり吸収しております。
次亜塩素酸が根の先から染み出し、神経をやけどのような状態にしてしまったようです。
心配なのが傷と違い、やけどのような状態なのでどのくらいで症状が消えるか私も想像つきにくい・・・
3カ月後。
骨はしっかり再生しました。
恐る恐る痺れがどうなったか聞くと
「もう痺れは完全になくなりました。痛みもきえました」
とのことでホッとしました。
ヒポクロアクシデントと言われるこのようなケース、フリードマン先生も部下がたまにやってしまうそうです。
フリードマン先生は5%の次亜塩素酸を使い、レジデントは2.5%を使い、大学院生は0.5%を使わせて、ヒポクロアクシデントを減らすようこころがけているそうです。
私は最近、パーフォレーションなどでヒポクロアクシデントになりそうなときは、生理食塩水でめちゃくちゃ流します。
3CCくらい洗います。
其のかいあってか、ヒポクロアクシデントであまり困っておりません。
根尖が大きく開いたケースはみなさん気を付けましょう。
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