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インプラント

このページの目次

インプラントとは

インプラント

インプラントとは、体内にチタンやその他の金属または異物を埋め込むことを言います。骨折した箇所に入れるチタンのプレートもインプラントと呼ばれ、特に歯科で使用されるインプラントはデンタルインプラントと呼ばれています。

図のように骨の中に埋入し、歯を再建する術式を指します。インプラントは実は歴史が長く、1965年にブローネマルクというスウェーデンの整形外科医がデンタルインプラントを臨床に使ったのが始めと言われています。その時の被験者はその後亡くなるまでの41年間、問題なくインプラントを使用できたそうです。50年以上が経ち、少しずつ進歩しているインプラントですが本質はブローネマルクが初めて埋入したものと同じです。

インプラント治療の種類

インプラント治療には症例によって埋入本数や完成形が異なってきます。ここではインプラント治療の種類について解説します。

歯を失った箇所にインプラントを埋入する

歯を失った箇所に入れ歯やブリッジではなくインプラントを埋入する方法です。一般的にインプラントと聞いてイメージするのはこの手法です。以下に具体例を示します。

インプラント治療前のお口の写真

インプラント治療前のお口の写真

下顎の右奥歯にインプラントを埋入します。写真では下の左に歯のない箇所が写っていますが、そちらになります。ブリッジを外して抜歯後の写真です。

インプラント埋入後

インプラント埋入後

ステントを使用して埋入時のミスがおこならないようにして慎重にオペを行いました。

インプラント埋入後のレントゲン

インプラント埋入後のレントゲン

レントゲン写真で右下の顎に2本インプラントが入っているのがわかります。

セミラック歯を被せて治療完了

セミラック歯を被せて治療完了

インプラント治療前

インプラント治療前

インプラント治療後

インプラント治療後

入れ歯の土台にインプラントを使う症例

インプラントを失った歯の本数分埋入すると、コスト的に難しかったり、骨がそもそもなく埋入できない箇所が多くなったりするケースでは、骨が残っている箇所にインプラントを埋入し、入れ歯を安定させるという手法が選択されることがあります。インプラントに負荷させることで噛んだときの痛みが和らげたり、入れ歯が外れにくくなります。

矯正治療にインプラントを用いる

矯正治療で、固定源として使う方法も一般的です。この場合は埋入したインプラントを除去する必要がありますので、わざと抜けやすいインプラントを使います。埋入も少し麻酔するだけで出来ますし、除去は麻酔が無くても出来てしまうほど簡便な方法です。しかし、除去のしやすさが災いして、意図せず抜けてしまうことがあります。

インプラント治療の期間の目安

現在、インプラントの性能が非常に良くなっているため、通常の治療では埋入してから2カ月もあれば骨としっかり結合すると言われています。埋入から2カ月目でかたどりをすると仮定すると3カ月もあれば歯が入ってしまう計算になります。しかし、抜歯した直後は骨が無いため、通常、抜歯から3~6カ月待ってから埋入することが一般的です。また、骨がそれでも無い場合は人工骨を移植して、半年待ってから埋入することもあります。よって症例によっては1年くらい治療に時間がかかる症例もあります。

インプラント治療の注意

インプラント治療を行う場合、以下の注意が必要です。

高血圧、糖尿病

高血圧の方は血液をサラサラにする薬を飲んでいることが多いため、インプラント治療をする際は主治医の先生と相談してからの方がよいでしょう。また、糖尿病の患者さんは感染しやすいために、血糖値がしっかりコントロールできている状態で埋入することが望ましいでしょう。

喫煙

喫煙はニコチンにより血流が悪くなりますので、治癒が遅れてしまうことがあります。また、骨との結合も血液が不足すると起こりにくくなりますので、出来るだけ禁煙してから治療に臨むべきでしょう。

妊娠

インプラント治療をする際に麻酔をします。麻酔の中にはアドレナリンが入っているために安定期に入っていない場合は極力避けるべきでしょう。また、外科処置を行う際に感染のリスクも少なからずありますので、注意が必要です。

その他、全身疾患

以上に挙げたものはインプラント治療をする際のリスクのほんの一部です。何か健康上問題がある場合はしっかりかかりつけの先生と相談の上、安心、安全に努めた治療をしていきましょう。

インプラントに伴う合併症

インプラント治療にはオペにより起こりうるリスクがありますのでいくつかご紹介します。

下唇のしびれ

下歯槽神経という重要な神経が下の顎の骨には流れています。そこを傷つけてしまうと下唇に知覚麻痺が現れることがあります。また、神経を損傷していなくても2mm以内に埋入するとしびれが出ることがあります。その場合はインプラントを除去することで回復しますので、なるべく早めに除去をすることが重要になります。

上顎洞に迷入

上顎洞に迷入

初診時にたまたま気が付いた症例です。写真左側のインプラントが横を向いてしまっています。これはサイナスリフト後に固定が緩み転がってしまったようです。患者さんは無症状でしたが直ぐにインプラントを施術した医院にて除去をしてもらいました。

骨造成(GBR)とは

インプラントとは、骨の中に埋入するものです

移植材の種類

人工骨+メンブレン

一番メジャーな方法で多くの症例で必要になる術式です。特に前歯部にインプラントを埋入する際はほぼ必須となります。あまりにも沢山の骨造成が必要な場合、チタンでできたフレームに人工骨を入れる方法もあります。人工骨には生物由来のものとそれ以外のものがあります。アメリカではなんと他人の人骨を使うことが主流です。(もちろん亡くなった人です。)ヨーロッパでは牛の骨をベースに焼成したものを使うことが多いようです。日本では人工的に配合されたものを用いることが多いのですが、吸収が早く骨が無くなってしまうか、いつまでも骨に置き換わらず感染の原因になるものが多く、最近はヨーロッパに倣い、牛由来の人工骨を使われることが多いです。人工骨+メンブレンを用いた一例を示します。

難易度の高い前歯部インプラント症例

難易度の高い前歯部インプラント症例

初診時。抜歯後、歯肉の陥没が進み、「このままインプラントをしてしまって大丈夫なのか相談したい」とのことで当院来院されました。

難易度の高い前歯部インプラント症例

切開する前段階で、かなりの骨吸収が想定された。 実際歯茎を開くと全く骨が残っていないことがわかりました。(写真には血が写っているのでグレー処理化しております)

難易度の高い前歯部インプラント症例

かなりの大掛かりな骨造成が行いました。歯肉のボリューム がかなり増えたことが確認されました。

難易度の高い前歯部インプラント症例

骨造成後6ヶ月。かなりの骨が出来たがもう少し骨があればと思い、インプラント埋入と同時に頬側にさらに骨造成を行いました。

難易度の高い前歯部インプラント症例

右が術後です。骨造成は非常に難しい処置の一つです。もしたっぷり骨がある人にインプラントを埋入するのであればそれは、虫歯を削る処置よりはるかに簡単と言えます。

自家骨(自分の体のどこかから骨を持ってくる)

昔は腸骨から骨を移植する方法が多く行われていました。現在は親知らずのあるあたりの骨やオトガイ(顎先)から骨を移植する方法が多いです。自分の体由来なので成功率は高く、歴史もあります。しかし、骨を削りだすために体に負荷がかかりやすいことがデメリットと言えます。

骨造成の術式の色々

先に示したように純粋に骨移植材を骨が不足している部分に移植する術式以外にも骨造成には何種類か方法があります。

サイナスリフト、ソケットリフト

上顎の臼歯部で主に用いられます。抜歯後、上顎洞と呼ばれる、副鼻腔が広いために、インプラントが埋入することが出来ないケースが存在します。そのような場合に、上顎洞の粘膜を持ち上げてインプラントを埋入する方法があり、それをサイナスリフトと言います。サイナスリフトは上顎の側方から粘膜を持ち上げる方法と歯槽部の頂上から持ち上げるやり方があります。横から持ち上げるやり方をサイナスリフト、頂上から持ち上げる方法をソケットリフトと呼びます。サイナスリフト、ソケットリフト、双方に言えるリスクとして、上顎洞の粘膜を損傷し、骨移植材が入れられなくなってしまうケースがあります。その場合は直ちにオペを中止し、2~3カ月まち、上顎洞の粘膜が再生するのを待ちます。

リッジエキスパンジョン

主に上顎の前歯部に行われます。骨に切れ目を入れ、骨ノミで広げていく方法です。現在、人工骨を盛ってメンブレンを入れるほうが、術後の吸収が少ないことからあまり行われなくなりました。

インプラントのメーカー

インプラントは3大メーカーのストローマン、ノーベル、アストラの他にも数えきれないくらいの種類があります。数年前まで韓国のメーカーだけで200社もあったと言われていました。各メーカーが企業努力の末、良いものは残り、結果が出せなかったものは淘汰され、現存のメーカーはどれも似たような構造に落ち着いています。ただし、あまりにマイナーなメーカーだと、将来部品供給が無くなり、被せ物が壊れた時に対応できないなどのリスクが考えられますので、主流のメーカーのものを使っている医院を選択することも重要かもしれません。

ガイデッドサージェリーによる精密なインプラント治療を実施

ガイデッドサージェリー

ほうじょう歯科医院新日本橋では、ストローマン社のガイデッドサージェリーを駆使した精密なインプラント治療を実施しております。ガイデッドサージェリーとは、CT画像と専用ソフトを使用してコンピューター上で綿密なシミュレーション・治療計画を立て、その情報を基に製作したサージカルガイドを用いてインプラント手術を行うことです。

ガイデッドサージェリーによって、インプラント手術に伴うリスク軽減はもちろん、治療後のトラブル防止、長期維持が期待できるため、インプラント治療に不安を感じておられる方も前向きに治療をご検討いただけます。

ガイデッドサージェリーによる治療の手順

CTによる精密検査
インプラントを埋入する顎骨や周辺組織の状態を3次元画像で確認します。

診断・治療計画の立案
CT画像とシミュレーションソフトを用いて、コンピュータ上でインプラントの埋入位置や角度、深さ、人工歯の形態などを計画します。

サージカルガイドの作成
治療計画を基にサージカルガイドを作成します。

インプラント治療の実施
作成したサージカルガイドをお口に装着し、計画通りの位置へインプラントを埋入します。

ストローマンのガイデッドサージェリーの詳細はこちら>>

CTによる安全確認について

CTによる安全確認CTを用いることでレントゲンではわからない骨や神経の位置、状態を把握することにより、リスクを抑えたインプラント治療を行こなうことができます。

CTによるインプラント埋入ポジション確認

CTによるインプラント埋入ポジション確認

このように、CT上でインプラントを埋入する仮想オペができます。神経や、上顎洞に触れずに的確に埋入するために事前シミュレーションを行うことはインプラント事故防止において必須になります。CTで術前の確認をすることで前述した、上顎洞の迷入、下歯槽神経麻痺はほとんど防げると言えます。現在、どんな症例でもCTは必須と言われています。

サージカルガイドについて

サージカルガイドCTで埋入する場所を決めたら、狙った位置に埋入出来るよう、型どりをしてドリリングするための穴が開いているマウスピースのようなものを作成します。

シビアなケースでは一度かたどりをしてCT上で再度重ね合わせする方法を取ることもあります。

ピエゾサージェリーを駆使した低侵襲なインプラント手術

ピエゾサージェリーほうじょう歯科医院新日本橋では、3次元超音波振動によって歯や骨などを切削できる「ピエゾサージェリー」という機器を完備しております。

歯や骨などの処置には、ドリルを使用することが一般的ですが、振動による不快感を感じたり、歯茎などへのダメージが大きくなってしまいます。

しかし、ピエゾサージェリーは不快な振動もなく、歯茎などの軟組織へのダメージを最小限に抑えながら、歯や骨などの硬組織を精密に削ることができるため、神経や血管の損傷リスクや術後の侵襲も軽減し、早期治癒が期待できます。

インプラントの料金

※下記金額は全て税込です。

※自費診療の再診料が別途1,100円(税込)必要。(令和3年5月より)

名称 イメージ 特性 料金(税込)
埋入 インプラント体(フィクスチャー) 歯を失った部分に歯の根の代わりに人工歯根を用いる治療です。インプラント体が純チタンで作られており、金属アレルギーのリスクがより低くなります。 手術内容は状況により異なります。 220,000円
ガイデッドサージェリー ガイデッドサージェリー CT画像とシミュレーションソフトで綿密な治療計画を立案し、ガイドを用いて精密なインプラント手術を実施いたします。 55,000円
GBR GBR インプラント埋入予定部位に骨造成を行う手術です。 110,000円
サイナスリフト サイナスリフト 上顎臼歯部で骨の厚みが1~5㎜の場合に行う手術です。多量の人工骨を移植する場合に行います。 110,000円
上部構造作製 上部構造作製 インプラントに装着する上部構造(人工歯)を作製します。 165,000円

※上記料金に11,000円(税込)の印象(型取り)料をいただきます

インプラントの保証について ~安心の10年保証~

インプラントは外傷等の理由を除き、4ヶ月に1度の検診を受けて頂くことを条件に5年目まで無料で再作成を行います。6年目以降からは、下記の割合で患者様にご負担頂くことになります。

インプラントの保証

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