神経の再生?リバスクラリゼーションとは
永久歯は先にエナメル質(見えているところ)が出来て、その次に象牙質(見えないところ)が出来ます。
歯とは見えている部分はほんの一部で、歯茎の中に歯根と呼ばれる部分が存在します。
歯根は永久歯が生えた後にも成長を続けますが、成長の途中で神経が何かしらが原因で死んでしまい、歯根の成長が止まってしまうことがあります。
そのような歯は、神経管がとても太く、根の長さも短いため、抜歯になりやすいと言えます。
この歯は中心結節というイレギュラーな形態で生えてしまい、そこが損傷してしまったことが原因で神経が死んでしまい、歯茎から膿が出てきました。
このような特殊な条件ではありますが、歯根の内部に血流を再開させ、歯根を完成した状態に近づける術式を『リバスクラリゼーション』とか、『リジェネレイティブエンドセラピー』とかよばれたりします。
具体的には、ラバーダムをして、神経の管の内部を徹底して除菌し、MTAをあえてスペースをつくり充填するという、書いてしまうと非常に簡単な治療になります。
あえて根の先までMTAを詰めません。
術後半年。
病気も治り、根も完成したように見えますね。
さも神経が再生したかのようですが、病理学的には、セメント質や骨に近いものが歯根周囲に伸展していく状態と言われており個人的にはリバスクラリゼーションと呼ぶほうがしっくりしますが、呼び方はさておき、お子さんの先の長い人生で、このように治療できてよかったと個人的には思います。