上顎洞に大きく突き出てしまった充填剤を除去した症例
根管充填材が根尖から出てしまう症例は数多く見ますが、その多くは長期的には問題ないことが多く、とくにMTAやそれに類似したバイオセラミックはほとんど問題が出ないことが知られています。
しかし、酸化亜鉛が含まれている素材は炎症を引き起こすことも知られており、上顎洞に飛び出した量も多かったために、今回は再治療にいらしたという経緯の症例です。
かなり上顎洞に出ているのがわかります。
ここで注目したいのが飛び出している充填剤の一部に黒いスジが見えます。
これは側方加圧充填という方法で充填した場合にみられます。
また、くっきり映っているのでシーラーという、充填剤と歯をつなぐ接着剤のような役目をはたすものが血液にながされ消えているのかもしれないと考えました。なので、意図的再植ではなく、再根管治療を選択し、除去を試みました。
思惑通り、シーラーが溶解しており、そっと取ることができました。
意図的再植については、外科的歯内療法のところに昔、書かせていただきましたのでそちらをご覧ください。
根尖が大きく壊れているのでMTAで充填することで同意を頂き、
MTAを詰めました。
意図的再植は、一度抜歯して、掃除して戻すというもので、歯を割ってしまうリスクが隣り合わせです。
可能であれば避けましょう。
インスタグラムのフォロワーさんがなんと100名を超えてくださいまして、本当にありがとうございます。SNSが本当に苦手で何をしたらいいのか全然わからないのですが今後も、時々アップしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。