大きな病変のある歯に対し根管治療を行った症例の3年後
大きな病変が歯根を取り囲んでいます。
歯肉は著しく腫れており、抜歯を薦められ当院にいらっしゃいました。
病変が大きすぎてレントゲンに映りきっていないです。
根管充填時
術後3年
病変も綺麗になり、症状もまったくありません。
病変の大きさと、治癒するかしないかは関連があるとする文献、関連なしという文献、双方存在しますので、ここではその議論はさておき、急性症状が強いとき、根管内はグラム陰性菌が強く関与していることが多いと歯科医師は大学で学びます。
グラム陰性菌はリポポリサッカライドというものが細胞壁に含まれ毒性が強く、また、細胞壁が薄いため消毒液に対して脆いという特徴があります。
グラム陽性菌はリポタイコ酸というものが細胞壁に含まれ毒性を示しますがリポポリサッカライドよりも毒性が弱いことが知られ、しかし、消毒液に対し、死ににくいことが知られています。
この症例はグラム陰性菌が根管内に多く存在しているのかもしれないですね。
勿論、蓋も外れているので様々な菌が混合感染しているのは間違いないのですが。
根管治療でマイクロスコープを使っても、どっちに感染しているのかはわかりませんが、症状などをふまえ、想像しながら治療をするのはロマンがありますね。
さて、お話は変わりますが11月から土曜日に自由診療のみになりますが診療する流れになりました。
その代わりに毎週水曜日を休診にいたしますので、ご予約の際はご注意くださいませ。