親知らずの移植
投稿日:2015年1月24日
カテゴリ:院長ブログ
最近、忙しすぎて、なかなかブログに手が回らない院長です。
よく、歯医者仲間に、移植について相談されるので、方法を解説いたします。
たとえば・・・
主訴・葉が割れた
レントゲンを撮ると
分岐部のはるか下まで及ぶカリエスが・・・(虫歯のことです)
そして、水平埋伏気味の親知らずにも巨大な虫歯が!!!
ということで、この親知らずはいつかは抜かなきゃいけないんで、移植に使いましょう!!という症例です。
上の歯は3根で、下の親知らずはぶっとい単根。
入るわけないですよね?
抜歯後
槽間中隔はめっちゃしっかりした骨が・・・
口蓋根周囲の、コツ吸収が大きかったので、その付近の骨をインプランター(インプラント埋入のために骨に穴を掘る機械)で、ひろげて、スペースを作りました。
できあがり。
2週間後、根管治療開始です。
デッドスペースはどうするかというと、ボーンスクレイパーで、親知らず近辺の骨を採取して、骨移植します。βTCPを、インプラントで使わないと決め込んだので、使おうと思ったのですが、スクレイパーで十分でした。
縫合は十字にします。
フラップあけてたので、今回は歯間乳頭を懸垂縫合しましたが、蛇足だったかもしれません。
スーパーボンドで固定するやり方を推奨される先生もいますが、アンドレーゼンの論文で、固定はしないほうがコツ癒着が起きないことがわかっているので私はやりません。
移植部、ドナー部、どちらから抜くかというと、ドナーの方から私はいつも抜いています。
ぬいて、生理食塩水に浸す先生もいますが、私は、抜いて、抜歯窩に もどします。
血液に触れているほうが、歯根膜は死なないからです。
で、先にドナーの形態も確認できますし。
移植部に、インプランターで、コツ形成が必要な時は、ペリオプローブで根先までの長さを測ります。
CTがある先生はそれでもいいかもしれません。
ドナーの大きさの計測にもプローブは多用します。
できるだけ深めに埋入したほうがいいですが、上顎洞を傷つけんように何度もプローブで確認します。私はCTないんで。
こんだけ頑張っても保険で、数千円・・・
この国は頭おかしいんじゃないか・・・?
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