被せ物を作るときに重要なこと(圧排糸の役割)
投稿日:2018年7月25日
カテゴリ:院長ブログ 根管治療(歯の神経の治療)
最近、よくされる質問で、
「歯茎に糸をいれているけどそれはなんですか?ちくちくするからやりたくありません」
というお話があります。
その答えにお答えしたいと思います。
私たちが歯茎に糸を挿入する理由は、
①歯茎からの滲出液を止める
②歯を削るさいの歯茎へのダメージを無くす(減らす)
③型をとるときに細部まで細かくとれる(一番重要)
があります。
1の浸出液とは、歯茎と歯の隙間から人間は体液が出ています。
それにより、型がうまくとれないことがあるので、糸に血管収縮のくすりをしみこませ、歯茎に入れます。
2は、動画で見てみましょう。
歯を削るとよく、歯茎から出血すると思うのですが、
全然血は出てませんね。
内縁上皮というところが傷つき、歯茎から血が出ます。
傷は速攻で治りますので問題ないですが、型が、血まみれで歪んでしまうのでよくありません。
シリコンは疎水性(一応、表記では親水性だが、水分は無い方がいい)ので、血は苦手です。
で、3ですが、
こんな感じで歯茎の下までシリコンが流れてくれます。
糸を入れないと、同じシリコンでもこんな感じ
糸ってだいじですね(^^♪
技工士は石膏模型で被せ物を作ります。
石膏は単色なので歯茎がどこまでかわからない。
こうしてあげることで、技工士は簡単かつ正確に被せ物が作れるわけです
保険と自由診療の一番大きい違いはここであるべきです。
シリコンはプラチナが触媒として入っているので、非常に高いです。
保険では寒天で型を取ることになります。
そうすると、寒天は脆いので細部はちぎれてしまいます。
よく、セラミックだから良い、ゴールドだから良いという意見を耳にしますが、本当に重要なのはこうゆうところ。
寒天も1級インレーならいいんですよ!(歯茎とか関係ないから)
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