歯科の可能性を広げたMTA
投稿日:2014年7月4日
カテゴリ:院長ブログ
歯科医師をやっているとこんな感じの症例によく出くわします。
歯の根元の先端に骨の吸収が認められます。
患者さんは疲れるとうずく程度の症状ですが、気になるとのことでした。
被せ物と金属の土台を除去し、神経の管の治療を行い、骨の再生を試みる治療を行ったのですが、レントゲンではわからなかったのですが、神経の管の入り口が、慢性的な炎症で吸収してしまっていて、0.8mm位の大きな穴になってしまっていました。(通常0.25~0.3mmくらい)
こういう場合、最終的な薬を詰め直そうにも、薬が外に漏れやすかったり、適合が悪かったり、なかなか難しいです。薬を押し出してしまうとなぜ悪いのかは次回お話ししますね。
で、こういう場合、どうしたらこの歯を高い確率で治せるかというと、MTAという素材を使います。
MTAは21世紀に入ってから使われるようになった、かなり新しい製品で、欧米では、歯内療法の世界を、大きく変えた素材として、広く認識されています。
しかし、日本の保険制度でMTAは認められていません。なぜなら、めちゃくちゃ高いからです。こんなもん、保険適応にしたら、保険医療は破たんしてしまいます。(インプラントも)
MTAは日本で購入しようとするとめちゃくちゃ高いですが、アメリカから個人輸入すると、1万ちょっとで購入できると聞いたことがあります。なので、私はMTAはもし患者さんが自分で用意できるなら、自分で用意していただいて、僕が保険で詰めるというのがいいかな~と思っています。(MTA詰めること自体は簡単なんで)
自費で被せ物入れてくれる患者さんにはMTAサービスしてます。
上の症例はE-Max+ファイバーコアで90000円(これでも安いんですよ、他のクリニックより・・・)
現在、MTAシーラーが開発中tの事です。保険適応になるのはいつになるんでしょうね・・・
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