歯根端切除をしなくて良かったと思ったケース
投稿日:2016年10月25日
カテゴリ:根管治療(歯の神経の治療)
今回のテーマですが、僕ら根管治療を本気でやってる人間にとって、の大きな関心ごとの一つに、
『どのくらいの期間治癒しなかったら外科に踏み切るのか』があげられると思います。
これは本当に難しい。
症状なければ、病巣が小さくなってなくてもしばらく様子見るのが大事なんですが、患者さん的には病巣あったら不安ですよね・・・
今回紹介する症例はそんなお話がテーマです。
術前。歯科医師会でお世話になっている先生からのご紹介で、根管治療をしても痛みが引かないとの事。
ちなみに5の根尖は静止性骨空洞なんで、病気じゃないです。僕らの国家試験のころは頻出でしたが今はこんな簡単な問題は出ないでしょうね。
左正方線、右近心投影
根充直後です。
ここで、紹介元の先生にお戻しして、3か月のフォローアップ
症状はないけど病巣が・・・
・・・
症状は全くないけど治っていない
症状は全くないが・・・( 一一)
患者さんも若干不安そうでしたが、とても快調に噛めているとのことで、また半年後に予約を取ってもらいました。
未だに病巣はありますが、
左術前、右18か月後
やる前と比較すると大分小さくなってますね。
あせって外科をしなくてほんと良かった。
まだ、完治はしてないけど。
先日のワルティモの論文の復習ですが、
読んでない人は過去のブログを
図の真ん中のどっとがちょうど半年。
右端が1年。
このグラフで推測するに半年~1年で治癒するケースは結構多いのかもしれないですね。
そして、もっと経過を追うとさらに治癒するんでしょうね。
患者さん的には早く結果を出してほしいのはとてもわかります。
でも、中々難しいんですね。
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