歯周病と全身疾患
投稿日:2014年6月16日
カテゴリ:院長ブログ
デンタルンというサイトの、歯医者さんに聞いてみよう的なコーナーで、診療の空いた時間で質問に答えて暇つぶししているのですが、よくある質問で「歯周病が、体に及ぼす害をテレビで見たのですがどうなんですか・・・?」というのをよく見かけます。
歯周病と全身疾患が関係すると言われて久しいですが、一般的にあまり認知されていないようですね。
いくつか、のデータをご紹介いたします。
①糖尿病・・・歯周病の治療により、HBA1cが平均0.39ポイント下がった。(広島県歯科医師会)
これは、歯周病菌が歯肉から血管に入ると悪玉の生理活性物質の産生をうながすからだと言われています。歯周治療は、糖尿病を軽くするというものです。
②循環器疾患・・・歯周病がない人と比較して、歯周病患者は脳梗塞は2.8倍、心筋梗塞は3.6倍のリスクになる。(米国、Beckらの調査)
これは、動脈硬化になった血管から、歯周病菌が検出されたことから古くから関連が疑われてきました。
③早産や低体重児のリスクが高まる(Am J Obstet Gynecol 2007)
女性ホルモンの分泌が活発になると歯周病が発症、悪化しやすくなります。また、歯周病が重症になると、早産が2.27倍、低体重出産が4.03倍にリスクが高まると言われております。
歯周病は治療より予防が大切で、一度歯周病で溶けた骨が再生するのは非常に難しいです。(少しは戻りますが)
日本の、定期的に歯科で、予防や検診を受けている人口は、たった21%なのです。この数字をもっと底上げして、健康寿命をのばしたいですよね。
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