樋状根の根管治療・・・
投稿日:2014年6月25日
カテゴリ:院長ブログ
右が術前、左が術後です。
根幹治療で、終わった後に根のなかに白いやつ(ガタパーチャという、ゴムのようなもの)を神経の管にいれて、残留したばい菌を閉じ込めて、治療を完了するのですが(以下根充と呼びます)、ラバーダムもせず、ばい菌だらけの環境で、スッカスカの根充をすると、繁殖したばい菌が漏れまくって、右の写真のように根の先の骨を溶かします。
写真は樋状根という、通常と異なるタイプの管をしています。普通の神経の管がストローのような形状だとすると、樋状根は屋根の雨水を集めるU字型のパイプみたいな感じになっております。ここを掃除していくのが無茶苦茶難しい!!
何度かブログに登場している、こよりみたいなやつ(ファイル)では、到底すべてをお掃除することは不可能なんですね。
そこで、私は、マイクロスコープを使いながら、E7Dと、AMファイルを使いながらチマチマ治療をしています。
なぜマイクロが必要かというと、この樋状根、バリエーションが豊富で、だいたいこの辺掃除すれば~とやってしまうと変なとこに穴開けてしまって大惨事になってしまうのです。
おおまかに分けるとC1~5の5タイプに分けられるのですが(Fanの分類)、日本の大学教育で、ここまでマニアックに教えてくれる大学はないです。上の写真はC1です。
この写真はC2です。私の印象ではC2(近心に1本独立していて、のこりは癒合している)パターンが多いような。
詳しくはPath Way Of The PlupのP215のFIG.7-150を。
もし、もしもですが、たまたまこれをお読みになられた患者さんで、下の奥歯の再治療で、「生まれつき、複雑な形態の歯をしているから残せません」と言われてどうにかならないものかとお考えの方、いらっしゃいましたら、是非、一度拝見させていただきたいです。ひょっとしたら何とかできることもあるかもです。
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