根管治療で治らない原因その2
投稿日:2018年8月8日
カテゴリ:院長ブログ 根管治療(歯の神経の治療)
まず、1症例
大きな病変があり、近心根にファイルが折れています。
ファイル除去は実は簡単な症例だと速攻で取れます。
マイクロ+専門のトレーニングを受けているという条件下でですが、とれるものの方が多いのではないでしょうか。
速攻でとりまして、頑張って遠心のガッタパーチャを除去しましたが、ほんの少し残ってしまっています。
マイクロでもよく見えません。
これはどういうことかというと、根尖(神経の管の先)から、すでにガッタパーチャが飛び出て引っかかっていると考えられます。
Giampierci et al2017によるとガッタパーチャの完全除去はほとんど不可能
という論文があります。
しかし、異物がそこに存在すると、治癒を妨げるというのはRiccuci先生らが大昔に明らかにしております。
ガッタは過去のブログでだしたと思いますが感染していると黒いおりのようなものでくるまれています。
是非とりたい。
そこで最終兵器となるのは
マイクロエキスカの緑と赤です。
緑は剥離子みたいに根管壁からはがすのに使います。
赤ははがれたものを救い上げるのにつかいます。
苦戦したのち
とれました。
根尖が大きく壊れていたので、MTAで充填しました
バイオセラミックで詰めたら、なんか薄い造影になってます。
これ、簡単そうですが、ほんとに難しい。
困難なガッタの除去は本当に難しいです。
XPエンドなどの新ツールで色々な試みはしていますが、そんなもんで解決できるほど甘くないです。
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