再根管治療の成功率(Gorni先生の論文を読んでみよう)
投稿日:2016年6月3日
カテゴリ:根管治療(歯の神経の治療)
お久しぶりです。生きてます笑
久しくブログの更新をサボっていたら、ブログを普段見てくれている方から、「大丈夫ですか・・・?」と言われてしまい、「ああ、そろそろ何か書かんとな・・・」という感じで書かせてもらいます。
最近、学生の頃モテたくて始めたストリートダンス熱が再燃しておりまして、仕事を終えるとわき目もふらずダンススクールに向かう日々を送っておりまして、とてもブログどころではなかったのであります。
例えば、「今日もダンス行ってきまーす」みたいなアホなノリで実の無いブログを書いてしまったら、
「最近の院長、らしくないな・・・。」
なんて思われて、
「リア充みたいでキモイな。もう、あいつはいいか・・・。そろそろ飽きてたし」
みたいな流れになって、当院のホームページが廃墟のようになってしまうんじゃないかと思ったわけでございます。
さて、私の近況はどうでもよくて、このGorniの文献、すごく面白いんで、ちょっと紹介させて頂きます。
2年間の再根管治療の成功率を、術前の状態から分類するという、なんとも興味深い内容なんですね。
で、
ああ、画像がひどく悪い・・・
この文献の大きなテーマはRCMR(以前の根管治療によって、根管の形態が変化させられてない症例)と、RCMA(以前の根管治療によって根管の形態が壊れてしまっている症例)の2つの予後の差を比較したということです。
では、順番に見ていきましょう。
RCMRの、根管石灰化症例は53.1%の成功率。これは先端までアクセスできなくても半分以上は治りますということを示唆してます
二段目のアピカルストップは、根尖付近で、ファイルが止まってしまう症例の事を指しているようです。成功率76%。穿通にこだわらなくても76%はうまくいくんだから穿通にこだわって穿孔したりするのはバカバカしいですよね。
3段目のファイル破折はな、な、なんと、96.7%がサクセスと書いてあります。
この論文、実はマイクロを使わないで、3.5~5.5倍のルーペで治療したと書いてあります。
てことは、まあ、ファイル、取れてませんよね。(マイクロが無いとファイルは取れません)
湾曲部より先にファイルが折れている
運よくとれました。マイクロ使っても難しかった
ファイル除去は根管治療の成否に影響しない事を示唆しております。(まあ、取れるんなら取った方がいいです。日本で治療するなら、ラバーダムしてないでファイルを折ってるので、ファイルにもバイオフィルムついてるかもしれないですもんね)
4段目はアンダー根充の再治療で、100%!!
RCMAの1段目はトランスポーテーションで、なんと成功率35.6%
2段目は根尖の吸収で71.4%
3段目はパーフォレーションで60.5% これ、すごいと思います。この文献のマテリアル&メソッドの通りだとするとEBAセメントをマイクロ無しで詰めて、この成功率出せるなんて。
4段目はストリッピングパーフォレーションと言いまして、形成途中に根管壁が薄くなりすぎて、歯根膜まで貫通しちゃったものです。成功率は28%
以前のブログより、ストリッピングパーフォレーション
MTAないときついです。マイクロあっても気づかない事もあるくらいなんで、28%でも大したもんだと思います。私なら、MTAとマイクロあるんでもっと成功率上がります。(成功率、自分の症例で出したら面白い結果が出そうですね)
というわけで、RCMAはRCMRと比較すると、目茶苦茶予後が悪いんですね。
大事なのは、抜髄の段階で、へまをしない事。
いきなり湾曲の強い根管を#25とかでガンガン削ってはすぐにステップできますから( 一一)
これも画像悪いな・・・
さて、今度の表は根尖病巣のあり、なしで、RCMR、RCMAを比べたものです
RCMRの根尖病巣が無い症例の成功率は91.6%(根尖病巣無いのに8%失敗するんですね笑)
根尖病巣ある群は83.8%
RCMAの根尖病巣無い物に関しては84.4%の成功率。結局、2次元のレントゲンで、病巣のあるなしを議論しているんで、正確じゃないと思います。(私見ですが)
RCMAの病巣ありの場合は・・・なんと40%しか成功しないんですね!!!
うーむ。低い。こんなんじゃ、飯くえるか!!笑
マイクロと、MTAがあるからほうじょう歯科医院は助かっているんですね・・・
さてさて、目茶苦茶長文になってしまいましたが、最後まで読んでくれたあなた、あなたは暇な歯科医師か、頭のおかしい人かどっちかだと思います。
書いてる私は頭のおかしい暇な歯科医師です。
では、よい週末を!!(^^♪
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