マイクロクラックから虫歯になってしまったと思われる症例
投稿日:2018年10月25日
カテゴリ:院長ブログ 根管治療(歯の神経の治療)
虫歯は100%細菌感染です。
細菌が関与しない虫歯はあり得ません。
基本はプラークの取り残しからミュータンス ストレプトコッキという菌が酸でエナメル質を破壊し、深い象牙質は嫌気性菌(酸素が嫌いな菌)が破壊していきます。
しかし、世の中にはエナメル質にダメージを与える間もなく、いきなり象牙質に感染させる症例があります。
5と6の間の虫歯をレントゲンで確認しました
齲窩を開口するとがっつり虫歯。
ある程度虫歯を除去し、虫歯を染めると、線上に染まります。
出来れば辺縁隆線を保存したかったのですが、意外と虫歯が大きく、ボコッと行ってしまいました。
その勢いで、6のカリエスも除去していきます。
こっちもクラックが((+_+))
実はこの症例、エナメル質の虫歯、マイクロ下でも見えなかったんです。
なのにこんなに大きな虫歯が・・・
クラックから菌が入ってしまうんですね・・・
虫歯を取り切り、クラックも郭清します。
全部は取りきらず、ボンディングが流れ込むようにエナメル質に慎重にエッチングし、分子量の小さいボンディングを使います。
術後。
フロスの通りも確認し、
お終い。
さて、お読みの方に誤解を招くわけにいかないのでよく覚えて頂きたいのが、
虫歯はプラークが原因で起こることが多く、クラックでいきなりC2スタートというケースはレアです!!
しかし、マイクロが普及するまえから、クラックが原因で臼歯隣接面の虫歯が起こるのではないかという仮説はありました。
現在、原因として微小クラックが虫歯の原因になるということは割とメジャーですが、明確なエビデンスは無いともいわれています。
学会などで、このようなケースを出すと、怒られたりしますのでご注意ください(以前、顕微鏡歯科学会で怒られている先生を見たことがあります)
さて、エビデンスとは難しい。
どのような論文は信用に足るものなのか。
今週の徹夜会でその辺も議論しつつ、寺岡先生、逢坂先生のプレゼンを見ていきたいと思います。
徹夜会
内神田PMO11階
21:00~
無料
よろしくお願い致します。
■ 他の記事を読む■